SEALS BAKERY(シールズベーカリー)
松浪
ハーブの効いたフーガス、エピなど、
洗練された都会的なパンがずらり勢揃い

淡いマスタードイエローの壁に、スカイブルーのタイルが散りばめられたレジカウンター。具材たっぷりのサンドウィッチや、スパイスの効いたフォカッチャ、エピなどスタイリッシュなパンが並ぶ店内は、ほっこりとしたカフェのような趣だが、見た目の優雅さとは裏腹に、バックヤードは息つく間もない戦争状態。生地だけでなく、パンに挟む惣菜も当日一から手作りするため、何と深夜の1時頃から作業をスタートするのだという。
「たまごサンドはコクがあって甘みの強い地養卵を当日茹でて使い、卵と相性のいいディルというハーブで香り付けしています。うちは私ともう一人でパン作りをするんですけど、作業が一段落するのは午前11時くらいですね」
早朝からぶっ通しで働き続けたとは思えない、朗らかな笑顔で迎えてくれたのはオーナーの栗原礼子さん。数々の有名店で経験を積んだ熟練のパン職人である。
聞けばここ、シールズベーカリーのパン作りは分業制で、栗原さんが生地作りを、もう一人がサンドウィッチなどの惣菜パンと、装飾の施されたデニッシュパンなどを担当しているそうだが、パンのベースとなる生地に関しては、やはり栗原さんが手掛けなければならないという。
「粉って、同じものでもその時々に応じて水の入り方やつながり方が微妙に変わるんです。気温や湿度の変化によって、膨らみ方にも差が出てしまう。ブレがない、安定したパンを提供するには、やっぱり長年の経験やカンが必要なんですよね」
お客さんの「選ぶ楽しみ」を最優先に、
100種類以上を焼き上げる


はらぺこさんにはバーガー類がオススメ。
「フィレオフィッシュ」378円、
「パストラミビーフとハッシュドポテト」324円ほか

淡いブルーとイエロー。コンビのタイルが可愛い、レジ下のサンドウィッチケース。
「たっぷりたまご」302円、「セロリとスモークチキンのマリネサンド」367円ほか
開店するや否や、店頭には次から次へと焼き立てパンがお目見えするが、なんとその数、多い時で120から130種類。これだけの種類を作るのって、正直相当しんどいのでは?
「ぶっちゃけ、大変です(笑)。でも、うちは地域密着で、地域のお客様が毎日買いに来ても飽きないようにしたいんです。パンってお気に入りをリピートするのもいいけれど、『昨日はこれ、今日はこれ』って選ぶ楽しみもあるじゃないですか。だから、店のコンセプトにこだわって種類を絞るようなことはしたくない。自分たちが作りたいもの、お客様が欲しいものを作ったら、これだけの種類になっちゃったって感じですかね」
おしゃれなパンから昔懐かしコロネやツイストドーナツまで、幅広くパンを楽しめるのもシールズベーカリーの魅力なのだ。
畳屋だった叔父の気質を受け継いで
「ものづくり」の職人に

「自分の店をどう見せるか」には、まるで無頓着だという栗原さんだがパン作りに対する妥協は一切ない。常時7種類以上の粉を使いこなし、微細の全粒粉と呼ばれる普通より細かく引いた全粒粉を20%用いることで、膨らみがよく口当たりのいいパン作りも試みる。人気ナンバーワンのシナモンロールは「気付いたら一番になっていた」という一品だが、三温糖のシャリ感が楽しめる舌触りと、クリームチーズの酸味がほどよく効いたクリームの味わいは、職人の矜持さえ感じさせる絶品である。
「この辺りは、かつて私の叔父が畳屋を営んでいた場所なんです。茅ヶ崎って昔は漁師町って聞いたことがあって職人気質というか、子供心にぶっきらぼうにも感じる人達が多かった気がするのですが、そんな人ほど情に厚くて、気配りも細やか、それでいて粋で豪快。面白い人がいる面白い街だなというのは、昔も今も思います。」

最近ではグリーンレーズンを使った自家製酵母作りにも取り組んでいるという栗原さん。コツコツとゆるぎなく、愚直にものづくりする姿勢は、畳職人だった叔父さまの、あるいは茅ヶ崎の風土によって育まれたものかもしれない。


シールズベーカリーの Chocolate!

ショコラ 270円

ココア生地の中身はチョコが2種類。チップとコインの2タイプのビターチョコレートを使った大人のチョコパンです♡口当たりの違いを楽しんで!
INFORMATION
SEALS BAKERY(シールズベーカリー)
住所 | 松浪1-1-12 |
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駐車場 | P1台 |
TEL | 0467-84-0910 |
営業時間 | 8:00~18:00 |
定休日 | 火・水休 |